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うつ病とは不定愁訴の症状が現れる病気~心のケアで症状緩和~

病気の原因と治療の心得

スーツの女の人

気分の落ち込みも脳の影響

人は誰でも気分が落ち込むということがあります。そんな心理状態を自分で冷静に分析してみたところで、気分の落ち込みが脳そのものの機能が低下しているせいだとは思わないものです。気分の落ち込みは心の問題であり、脳の機能自体には関係ないと思うのが普通です。ところがうつ病という病気では、何らかの原因で脳の機能が低下することにより気分の落ち込みが長期間続きます。うつ病とは心の病気ですが、ある意味では脳の病気でもあります。脳と心が密接に関わっているために、脳の機能が低下すると心にも悪影響が及ぶのです。生理学的に言うとうつ病とは、脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の活動が低下することによって発症します。そうなる原因は完全に解明されているわけではありませんが、精神面や環境面でのストレスが重要な役割を果たしているものと考えられています。うつ病を発症しやすい人の性格パターンも知られています。すなわち真面目で責任感が強く、周囲の人から頼りにされているような人に発症例が多いのです。周囲の目を過剰に気にするタイプの繊細な人も、特に新型うつ病での発症例が多くなっています。いずれも人間関係が大きく関わっていると推測されます。そうしたストレスが長期間作用し続けるうちに、脳内の神経伝達環境が悪化していくのではないかと考えられているのです。うつ病とは脳と密接に結びついた心の病気ですが、脳そのものが身体をコントロールする自律神経とつながっているため、精神的症状の他にも身体的症状が出やすくなります。食欲不振や倦怠感の他、不眠や頭痛を訴える患者もいます。

治りかけても油断せず

うつ病は脳の機能が低下している病気ですので、心の問題として精神力で克服することはできません。脳内の低下している神経伝達力を回復させるためには、病院での治療が必要になります。現代医学は非常に進歩しており、薬の力で神経伝達物質の働きを回復させることができるようになっています。治療を受けるためにも、まずは心療内科か精神科を受診して医師の診察を受ける必要があります。心の病気の診察は難しいため、うつ病以外の病気の可能性も考えて慎重に診断しなければなりません。場合によっては血液検査を実施したり、脳の血流を調べる検査を受けたりすることもあります。うつ病と診断されたら、神経伝達物質の働きを取り戻すための抗うつ薬を中心とする薬物療法が開始されます。治療にはある程度の時間を必要とすることが普通です。短期間で症状が劇的に改善するという例は稀ですから、焦らず急がず治療にじっくりと取り組むという姿勢が大切です。治療効果を確実なものとしていくために、薬物療法と同時に心理療法が多くのケースで実施されます。薬の効果と対話の効果との二人三脚によって、脳内の神経伝達環境も少しずつ本来の活動性を取り戻していくのです。うつ病とは、簡単に全快する病気ではありません。良くなってきたと思う頃が、実は最も油断できない時期なのです。症状がある程度改善して物事を前向きに考えられるようになっても治療をやめるべきではありません。治ったと実感できるようになってもなお石橋を叩いて渡るほどの慎重さでもって治療を続けていけば、うつ病の真の克服も十分に可能なのです。

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